看護師は身だしなみが肝心ということはよく言われていますが、ただ社会マナーとして必要とされているわけではないということは理解しておきましょう。実は看護師にとって身だしなみが特別に重要な理由が二つあるのです。一つはコミュニケーション上の問題になる可能性が低くなるからです。看護師は患者やその家族、医師や薬剤師などの多くの人とコミュニケーションを常に取りながら仕事をしているという特徴があります。そのときに少しだらしないという印象を持たれてしまうだけで、話を信用してくれなくなるリスクがあるのです。患者や医師との信頼関係の構築は看護師が仕事をする上で欠かせないものなので、できるだけ身だしなみを差し障りがない程度に整え、誰からも不満を抱かれないようにしておく必要があります。
もう一つは業務の支障になるリスクが減るからです。職場によって異なりますが、看護師は立ち仕事がかなり多く、特に広い病院で働いている場合には歩くことも多くなります。注射器を使って薬剤を投与するといった衛生面に十分に気をつけなければならない作業もあり、その作業の際に支障が生じないように身だしなみを整えておくのが大切なのです。髪の毛をきちんと束ねて邪魔にならないようにするなど、基本的なことをやっていなかったために医療ミスが起こってしまっては元も子もありません。業務を滞りなく正確に進められるようにするためにも看護師の身だしなみは重要なのです。